茅場町 鳥徳
茅場町にオフィスを構えるお客さんの担当になって、月に数回ランチを取ることがある。
多くのサラリーマンがその日の食事に何を食べるか話していたり、オフィスを出るときに既に決めていたであろう人たちが、目当ての食堂へ向かって歩いていく様をみるのが、なんとなく楽しくて、いつも楽しみにしている。
大体いつも2つの店を順番に廻っていて、ひとつが唐揚げをポン酢で食べる「やきとり宮川」で、もうひとつが鳥鍋定食が人気の「茅場町 鳥 徳」だ。
茅場町 鳥徳は風情があって、夜の会食に一度は来てみたいと思っていたところ、たまたま機会があって訪問。
ランチの雰囲気とはまた違って、お気に入りの店のひとつになった。
店舗は1Fと2Fに分かれていて、座敷になるので女性にはツラいかも知れないが、2Fの方が雰囲気があっていいと思う。
2人でも4人でも、大勢でも楽しく飲めるような空気感があるのは、日本民家の畳敷きのうえで、自由にちゃぶ台を組み合わせている、昔ながらの家にいるような安心感なのかも。
食事は焼き鳥から、一品料理、寒い冬には鳥すきや水炊きがあって、そのどれもが優しい味でとても美味しい。
この日は赤ワインも飲んだんだけど、なかなか侮れない美味さで驚く。4人くらいでくると、とても楽しく飲めていいんじゃないかな。
今の会社はちょっと不思議な文化があって、12時にランチを取る人が意外と少ない。聞けば、込んでるランチタイムに無理して食事をするのがイヤだなんて声を聞くが、 この茅場町でランチを取ると、便利さにまぎれて忘れてしまったことを思い出させてくれる。
ちょっと前は「パソコンと携帯」なんて言われた時代だったけど、「タブレットとスマホ」の現代。
休む時と働く時の区別が曖昧になって、自分も含めてゆとりをもつことが少なくなってしまった。心を痛め、長期の休息が必要になってしまう人もいるし、ストレスを抱え、暗い顔をして働く人も少なくない。
小さい時に、「テレビを観ながら食事したらダメ!」なんて叱られたけど、ランチタイムや夕食時にはスマホは鞄にしまって、その瞬間を楽しもうと思う。