#YoshikazuBlog

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女のいない男たち

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村上春樹の本を読み出したのは、20歳そこそこの時で、そのことは「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 - #YoshikazuBlog」でも書いた。
村上春樹の書く物語の中にはお酒、特にビールを飲むシーンが割と多い。20歳そこそこの自分は、そこまでお酒が好きでもないくせに、その描写に憧れ、背伸びしながらビールを飲んでいたと思う。いつかビールを飲みながら、楽しく本を読める日が来たらいいなと思いながらも、「本を読みながらビールを飲む=1人飲み」であるわけだから、そんな日が本当にくるものなかと、なかなかイメージができなかった。
そんな自分もお酒を(法的に飲んでいい年からだったかは置いておいて)飲み始めてもう20年以上。今では1人で飲みながら本を読む時間が、心が落ち着く、大切な時間になっている。


村上春樹の本は、自分にあっていると、やっぱり思う。
白黒のつかない感情の表現が心地よく、エロティックな描写も自然な欲望として描かれていて、等身大の気持ちをトレースされているようで共感が持てるポイントが多い。
そんな理由で、前作に続き、村上春樹の新作短編集「女のいない男たち」を購入、彼の持ち味である独特の世界観がコンパクトにまとまっていて読みやすく、数日で読了。ビールを飲みながら読む本としては、池波正太郎のエッセイにつぐ良作だと思う。

女のいない男たち

女のいない男たち

今年は年明けにスティーブン・キングの「11/22/63」を読み始めたのが、思いのほか長引いてしまった。
そこで気づいたのは、自分にとって「本」と「映画」は考えや気持ちを整理して、影響を与えてくれるものだということ。本を読まなかったり、映画を観ない時間が長く続くと、うまいことバランスが取れない。
短編集ももっと読んでみようかな。