#YoshikazuBlog

気になったコト。気に入ったモノ。 自分の思ったことを徒然に書いてくブログ。

ソロモンの偽証

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趣味はなにか?と問われると、「映画に読書」と月並みな応えの自分。
とは言っても一年間トータルで、映画は劇場と自宅で観るのを合わせて20〜30本くらい、本だと15〜20冊くらいだろうか。
だから映画の虫、本の虫と言われる人の足元にも及ばない。

映画だとスターウォーズなんかは特に好きで、どれくらい好きかは前の記事STAR WARS - #YoshikazuBlogでも書いた。

先日新しい三部作の制作が発表されたスターウォーズだが、現6作はダースベーダーの物語と言っていい内容で、彼の人生にフォーカスした内容となっている。

宮部みゆきの「ソロモンの偽証」。
久々の長編はちょっと気が引けたけど、読んでて、スターウォーズのエピソード3を劇場で観た時の感覚を、デジャヴのように思い出した。

善の心を持った主人公が悪の道に落ちて行く。旧3部作のストーリーを知っているファンとしては、新3部作で作られた「ダークサイドに堕ちないで欲しい」という良心をくすぐられながらも、「堕ちろ、堕ちろ〜」と思って観てしまう、ジレンマとも言える不思議な感覚。


全三巻という長さのミステリーであるこの「ソロモンの偽証」、最後に犯人がわかるようなどんでん返しはなく、誰もが途中から「ん?こいつが犯人なんじゃないの?」と思わせながらも、そのプロセスにハマっていく構成。
その辺りのムズムズ感がスターウォーズのエピソード3に似た感覚だったんだと思う。
結果をわかるようにしながら、そのプロセスを読みたいと思わせるレトリックが凄い。

宮部みゆきの長編は、スティーブン・キングのそれに似ていて、登場人物の描写が細かい。その細かさについていけないと、彼女の本の面白さに入り込むことは出来ないと思う。それぞれの描写が細かいが故に、物語の後半へなるほどキャラクターのイメージが容易で、感情移入し易い。


長編三部作の映画を観終えたような満足感はあったかな…
そして相変わらず後半へかけて読書スピードがあがってくる楽しさ。
のんびり味わって本を読むタイプの人にはオススメかも。