アリスのままで(STILL ALICE)
「アカデミー賞、受賞!」なんて聞くとやっぱり気になって観たくなってしまうのは、アメリカナイズされた日本人の悲しい性なんだろうか。。。それでも題材が「若年性アルツハイマー」ってことで、社会派のドラマなんじゃないかって期待もあり、日本公開にあわせて早速鑑賞しました。
病魔との闘いというトピックにおいて、ハリウッド的表現はときとして、演出過多で辟易するときがある。情緒的な演出の多さがそんな気持ちにさせるんじゃないかとは思うし、でも、一方で、演者のキャスティングによって、作品のクオリティを格段にアップさせることは、ままあるわけで、この「アリスのままで」もジュリアン・ムーアの演技力によっていい作品となって、結果、アカデミー主演女優賞を獲得するまでになったのかもなと思う。
スターウォーズのエピソード3を観たときの感情がこの映画にはあった。
ダークサイドに落ちて、ダースベイダーとなってしまうサマを見届けた感覚と、若年性アルツハイマーという病魔に侵されいく苦悩と恐怖の描写が、そんな気持ちを思い起こさせる。
ジュリアン・ムーアの演技力のハンパなさ。
宝だった、大切な記憶が失われていく恐怖。健常者(という表現が正しいのかわからないけど)に理解されにくい症状。そんな環境にもし自分がまきこまれたときに、広い心で受け止めることができるかと自問させられる映画でした。
(でも、映画館である必要はないかも。)