チャッピー
話題作となった「第9地区」、それとちょっとハリウッド感出過ぎて個人的にはイマイチだった「エリジウム」のニール・ブロムカンプ監督の最新作、「チャッピー」を鑑賞。予想を超える面白さで、WOWOWで放送されることになったら、必ず観たいと思った。これまでに人種差別や貧富の差をテーマにしたブロムカンプ監督だけに、単なるハリウッド的なロボットをモチーフにしたSFにとどまっていない。
映画が始まって数分後、手塚治虫の鉄腕アトムで話題の「地上最大のロボット」、それをリブートした浦沢直樹の「PLUTO」のことを考えた。
人工知能を持ったロボット「チャッピー」は、優れた処理能力と機械による卓越した戦闘能力をもった、生まれたての子供ようなロボット。見るものすべてが新しく、人の言うことを純粋に信じて成長(という表現でいいのかな)していくさまは、胸が痛くなるくらいの愛くるしさと、切なさがあって、どんどんと主人公「チャッピー」に感情移入して行く。
iPhoneのSiriなど、人の質問に受け答えのできるサービスに驚かなくなってきている時代なだけに、この「チャッピー」の成長と苦悩は、遠い未来のことのように思えない。ひと昔のSF映画とは違って、空を飛ぶ車があるわけじゃなくて、現実の生活線上で物語が進んでいく演出も、この映画に強烈なリアリティを与えている理由の一つとなっている。とはいいながらも、エンターテインメントとしての完成度が高いので、最後のシーンまで釘付けにしてくれるけど。
哲学的な要素も盛り込まれたこの映画。
「ロボット開発のゴールが、人間と同じ知能を持つことであったとき、そのときに何が起こるのか?」。手塚治虫の「地上最大のロボット」で描かれた問題が、本当にすぐそこにあるのかもしれないなぁ。
なんてことを考えていたら、タイミングよくこんな記事↓。うーん、、、www.softbank.jp