#YoshikazuBlog

気になったコト。気に入ったモノ。 自分の思ったことを徒然に書いてくブログ。

her/世界でひとつの彼女

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また少しづつだけど、ブログ書く気持ち的な余裕ができてきた。

携帯電話を初めて手に入れたのは、26歳くらいのころだったと思うから、今から19年(!)も前のことになる。いまの若い世代は知らないであろう、PHSのおかげもあって爆発に登録台数を伸ばしていた当時、青年海外ボランティアから戻ってきた友人が、みんなが携帯で歩きながら話しているのを見て驚いていたのを、映画「her/世界でひとつの彼女」を観てふと思い出した。


文明の進化は、これまでに想像できなかった生活スタイルをつくり、ある種の異様さを感じさせるものがある。
電車の中で、スマホをいじっているたくさんの人や、1人1台のPCを前に会話も少なく働くオフィスをみて、昔の人(といっても20年ほど前程度)がみたら、なんと感じるんだろうか。
たった数十年の間の進化と進歩のスピードに、開発した人類でさえついていけてないように思う。

マルコヴィッチの穴」「かいじゅうたちのいるところ」で知られる、スパイク・ジョーンズの新作、「her/世界でひとつの彼女」は過去のSFに代表されるような想像もつかない未来を描いているのではなく、「ありうるかも、、、」と思わせるような描写で、感情移入しやすい作品だと思う。
キャスティングも効果的になっていて、主人公を演じるホアキン・フェニックスは、葛藤を表現する役者としてはずば抜けていると思うし、OSで声だけ出演のスカーレット・ヨハンソンのハスキーボイスが作品に強いエッセンスを与えている。(単なるファンだという欲目はあると思うが)

人間とOSの恋。
いつまで続くかわからない儚さと、声だけのコミュニケーションによる関係に、純粋が故の美しさと残酷さが表現されている。
ちょっとセンチメンタルな気分になるそんな映画。中年男性が1人で観るような映画じゃなかったかも・・・(平日昼間の鑑賞でよかった~)