御茶ノ水 天ぷら 山の上
いかん、久々のブログ更新。
ネタはたっぷりあるのになんとなく余裕もなく、適当に文章を綴るのもイヤなので、約9日ぶりの更新。
それでも書いている時には、何故だか気持ちもシャンとして、言葉にきちんと対峙するような感覚が心地いい。
で、久々のブログ更新は、「食」ネタ、しかも「文章」関わりの深いトピックにすることに。
先日のこと、美味しいディナーをしようってことで、お茶の水の山の上ホテルに初めて訪問。
心の師である池波正太郎が愛したという、天ぷら「山の上ホテル」でご馳走になった。
山の上ホテル、実は中に入ったのは初めて。
名前も場所も、歴史だってなんとなく知っているのに、なかなか訪ねる機会もなく、心待ちにして訪問。
この山の上ホテル。
戦後にホテルとして開業、これまでに川端康成、三島由紀夫、池波正太郎、伊集院静と多くの文豪の定宿として使われてきたホテルだそうな。wikipediaによると、逢瀬の場として使われることも多く、なんとなしに大人の雰囲気を醸し出している。
ホテル自体は天井も低く、いろいろなものが古めいているが、
その古めかしさの中にも、大事に大事にされたきた空気感が流れていて、独特の雰囲気がある。
10数年前、箱根の富士屋ホテルに泊まった時に感じた感覚と似ているかも知れない。
1階のラウンジで、小瓶のラガービールを飲み、本を読みながら人を待つ幸せ。
ロビーを抜けて、天ぷら屋ののれんをくぐる時、大人の仲間入りをしたような、背筋がシャンとする緊張感が気持ちいい。
自分が座ったカウンターに、敬愛する文豪が座ったかも知れないと考えるだけで、気持ちが高揚する。
目の前に出してもらった素材、池波正太郎は「天ぷらは、揚がったそばから親の敵のように食え」と書いていたが、本当にその通りだと思う。
コースは刺身などが前菜として出されるものもあるけど、ここは天ぷら一つにしぼって堪能するのが良い。
この店の出身で、銀座に店を構える「天ぷら近藤」に訪れたことがあるが、個人的にはこちらの佇まいの方が好みだな。またいつか近い未来に行けたらいいなぁ。