#YoshikazuBlog

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さざなみ(原題:45 years)

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原題のほうが邦題よりもいいってことは結構多いと思うけど、映画「さざなみ」は邦題のほうがより内容とマッチしているそんな映画だった。
ふと時間が空いたのでシネスイッチ銀座で映画鑑賞。朝っぱらだというのに、シニアの方たちで賑わっているのがこの映画館の好きなところ。映画は結婚して45年を迎える夫婦のドラマなので、まぁ想定内ではあるけれど。(笑)
予備知識のないままで観たものの、主演のシャーロット・ランプリングってこの作品でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたんだな。知らんかったけど、映画観て納得。彼女が演じる、主人公ケイトの心の変遷が生々しくリアルで、男の自分にとっては恐ろしすら感じる演技力。


ストーリーは、結婚45周年を祝うイベントを目前に、過去に付き合っていた恋人との思い出に触れてしまう夫と、その夫の気持ちに嫉妬をしていく夫婦の話。(というより、奥さんの話)
今年47歳になる自分にとって、夫婦生活を45年も重ねた感覚をもつことはできない。逆にいうと、自分の親がこの映画の主人公らとほぼ同条件なわけだけれど、自分が見る限り、こんなようなことにはならないように見えるし、それって日本人と欧米人との結婚に関する考え方、またはカルチャーの違いなんじゃないかと思った。
45年も経って、肉体関係をもっている夫婦なんて日本には数えるほどしかいないんじゃないかな〜。 そんな夫婦の間柄において、仮に45年後に当時熱烈に付き合っていた彼女のことを思い出し話したところで、奥さんにケイトのような心情は生まれることはない。(ハズ)しかもこの映画では、当時遭難してしまった彼女がスイスの氷河で冷凍されて確認されたって話なんで、とうの昔に亡くなった半世紀近く前の恋人に嫉妬することなんて、まずあり得ない。

と書いたところで、ふと、ひょっとしてこのケイトは45年前の彼女に嫉妬したのでもなんでもなく、ほんの一瞬に見えてしまった「男のだらしなさ」に辟易してしまったのかと思い始めた。昔の恋人への嫉妬ではなく、夫への暗澹たる思い。
エンディングのあっけなさが、深く余韻を残すいい演出となっていた。

だけど、本当に1人で観てよかった〜。こんなの女性と一緒に観れるような甲斐性のあるオトコじゃありませんよ。僕は。